Complexxx.


間奏に入ったところで、
拍手が起こった。


拍手の変わりに私はマラカスをふった。

奏絵また深々とおじきをした。

そしてマイクを通して、



「ちょっとななさーん。演歌なのにマラカス持ってどうするんですか~?ななさんマラカス大好きみたいですので?次はななさんにウーマンボ!踊ってもらいましょうか!」



みんなの視線が一斉に私に向く。


私はマラカスを両手に持ったまま固まった。



…やられた!!!



かなえを睨むと、かなえはウインクなんかしてきちゃって。


お調子者なんだから。



何度このかなえの無茶ぶりに引っ掛かったものか…。



チラッと前を見ると、菅原くんと目が合った。



菅原くんは私を見て笑っていた。



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