冴えない僕とアイドルBOYS!
ステージの余韻でぼうっとなりながら、控え室へ戻った。
「崎さん!」
「崎さん、どうだった?僕たち」
"してやったり"の顔をしたメンバーに囲まれた。
ステージを終えたばかりのメンバーはまだ額に汗を浮かせていて、それがまた笑顔を眩しくさせた。
「え、あの・・・・すごく良かった・・・あの、かっこ良かった・・・えっとその」
もどかしい。
僕がどれだけ感動したか、伝えたいのに。
CHAMPをちゃんと好きになれたと、言いたいのに。
ありきたりな言葉しか出てこない、しかも小さな声で。
僕がもたついていると、また真・アディソンが言葉を遮る。
「CHAMPの虜に、なった?」
恥ずかしいけど、事実だ。
素直に「はい」と言うと、メンバーはよっしゃー!と声をあげてお互いにハイタッチをし始めた。
「じゃ、崎さん、俺らのマネージャーやんの嫌じゃないよな!ちゃんとできるよな!」
「は、い・・・」
僕が頷くと、神村祥二は満面の笑みを浮かべた。
笑顔も、その金髪も眩しい。
この年になって、アイドルに夢中になるなんて自分でも情けないと思う。しかも男性アイドルだ。
でも、心動かされてしまったのだ。
感動してしまったのだ。
彼らの行く末を、見守っていたい。
僕はこの瞬間、本当の意味で"CHAMPのマネージャー"になれた気がした。