冴えない僕とアイドルBOYS!


レッスン室に入ると―


四方の壁のうち、一面はすべて鏡になっていて。
洋楽がかかり、それが部屋のなかいっぱいに響いて―
その曲にあわせて男の子5人が鏡に向かい、華麗に踊っている。

腕を振り上げて、跳びはねて、足を大きく踏み出して・・・
ダンダンと大きな足音がするのに、廊下にいるときはほとんど聞こえなかった。

やっぱり防音設備はしっかりしてるんだなあと、ぼんやり考えていたとき。



「ちょっといい?」と社長が声をかけた。


曲を流しているデッキのすぐ横にいる、長い髪を後ろで束ねた女性が「はい」と返事をし、ボタンを押して曲を止める。


途端に踊っていた彼らの動きも止まった。


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