きらきら。
「てん、し・・・?」
「そう。信じなくてもいいよ。悪魔だって思うのも自由。
・・・だけど、これだけは絶対。」
「・・・なに?」
「君、もう自分が長くないって知ってる?」
―ズキン・・・―
わかってたことだけど、言葉にされると胸が痛む。
「・・・知って、る・・・。」
「つらいはなしだけど、ゴメンね。
君―――アオちゃんが生きれるのは、ちょうどあと1年だ。」
「・・・いち、ねん・・・」
「うん、1年。長いようで短い。
その間、君の傍にいることが俺の仕事。」
「え・・・?」
「天使にも仕事があってね。
死ぬ人間の最期の1年を見守ることなんだ。
魂はあるけど、体は壊れちゃうでしょ?
その魂が逃げないように、天界まで持って行くの。」
「持って行けなかったときは・・・?」
「・・・体がなくて、悲しみと寂しさから自分で体を作る。」
「作った体はどうなるの・・・?」
「・・・悪魔になる。」
そっか・・・
あたしも悪魔になるかもしれないんだ・・・。
だったら・・・
「あの・・・」
「・・・ん?」
「よろしく、ね」
「アオちゃん・・・?」
「あたしをちゃんと、連れて行ってください」
「・・・任せて。」
美並 碧。16歳。
病気のあたしに残された時間は今日から1年。
そんなあたしの目の前に現れたのは、片翼の天使。
いまいち謎が多いけど、この天使が現れたことで、確実にあたしの世界は輝きだしていた。