きらきら。
脱走
-side Ryu-
「ほんまありえへんわ!」
アオちゃんの病室から出て天界へ戻るが早いが、俺は説教をくらっていた。
「でもさぁ~・・・毎日病室じゃつまんないじゃん・・・」
「そやけどな?誰かに見られたらどうすんねん!何が空のお散歩や!ナイト気取りか!」
「そんなことないし!景ちゃんもかわいそうだと思うでしょ!」
「ほんで逆ギレか!可哀相やけどな、もし碧ちゃんになにかあったらどうすんねん!」
「大丈夫だよ、アオちゃんはあと1年生きるんだから」
「病死の場合やろ、それは。」
病死の場合?
アオちゃんは病気で死ぬことになってる。
それ以外なんてないじゃん。
「アオちゃんは病気で死んじゃうんでしょ?」
「一応はな。でもそれは悪魔でお前と深く関われへんかったらやねん。なのに空なんて飛んでみ?落下したらお前は何ともなくても碧ちゃんは人間やで?」
「・・・・・。」
「落ちたら死んでしまうやろ、お前は―――・・・」
“片翼しかないんやから”