愛恋(アイレン)〜運命の恋〜

異変

今日も、前と同じく夕方5時から夜の9時までのバイト。
この日は、雨が降っていた。



「雨…強いな」




バイト先の窓から、外を眺めてみる。
窓ガラスから微かに見える雨は、今の私の心情のようにみえる。




“いっそのこと…雨と一緒にこのモヤモヤした気持ちが、流れればいいのに"




そう…私は思った。




「あの…お会計いいですか?」




物思いにふけっていると、男性のお客さんがレジにやって来た。




「あっ…申し訳ありません!」




私は慌てて、お客さんに謝り、買い物かごに入った商品を通していく。




「…1085円、頂戴します」




私は、買い物かごを片付けながら言った。




「じゃあ…1100円でいいかな?」




男性はそう言うと、お金を置く台に、1100円を置いた。



「1100円…お預かりします」



ガチャン!
と、レジの開く音がした。
私が、お預かりのボタンを押したからだけど…。




えっと…お釣は15円だったよね。




「15円のお返しですね」




私がそう言って、お客さんの手に触れたときだった。



“…!!!嫌だ!!触りたくない!!"




咄嗟にそう思い、私は手を離した。
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