愛恋(アイレン)〜運命の恋〜
なんてことを考えてみる。



でも、きっと母さんは、何か予感していたんだ。
あのときの母さんの叫びは、警告だったのかもしれない…。




今思うと、何もわかっていなかったのは…私だった。
全く理解していなかったのは……私の方だった。




自分の愚かさにショックを受け、私は俯く。




バイトが終わり、白衣を脱ぐ。
白衣を脱いでいる途中で、再び涙が溢れた。




“何度後悔したって、何度も母さんに謝っても、状況は変わらない…"
ふと、私はそう感じた。




更衣室で深いため息をつき、青野さんと店長と一緒に、バイト先を出た。




駐車場に近づくと、母さんの車が停まっていた。




急に…私の中のもう1人の自分が、頭の中から姿を表す。




“謝らなくていい、無視すればいい…。何か言われたら、また反抗すればいい"




違う…違う…違う!!
そんなことは望んでない!!



“違わない…脅されるに決まってる。逃げればすむこと"




もう1人の自分が言った、[逃げる]という言葉に、私は敏感に反応した。




もう…自分を守るだけの人間にはなりたくない!!
逃げたくない、決して!!
< 20 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop