愛恋(アイレン)〜運命の恋〜
〜迷走〜

異変の進行

その日の夜、私は疲れて軽く眠ってしまった。
もちろん、家の中だ。




「ん…あれ?」




私は、キョロキョロと辺りを見渡す。




「えりな、起きたのか?」


新聞を読んでいた父さんが、顔を上げた。




「うん…」




私は、頭痛の痛みを感じつつ、ゆっくりと起き上がる。



「母さんからは、だいたいのことは聞いた。辛かったな…」


父さんは、右手を私の頭の上にのせる。




「…う、ん」




やばい…また涙が出る。
出したくない。
もう、泣きたくない。




そう思うのに、涙が溢れて止まらない。




「…えりな」


父さんは、優しく頭を撫でる。




嗚咽が邪魔をして、うまく声が出せない。




「えりな、今は泣きなさい。落ち着いたらでいいから…何があったのか、父さんに話なさい」


父さんは、優しく私の頭を叩いた。




「わかっ、た」




嗚咽でうまく話せないけれど、私はそう返事した。




そしてまた、私は泣き疲れて寝てしまった。




私が次に目を覚ましたときは、自分の部屋ではなく、母さんと父さんの寝室だった。




“父さんか母さんが、この部屋に運んだんだ"
私は、そう思った。
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