愛恋(ｱｲﾚﾝ)〜運命の恋〜

『Ｈしよ?』




全ての始まりは､このメールがきっかけだった｡




このメールが…私の心に異変を与えた｡




いつしか私は…全ての男性が､体を求めてるんだと､思い込んでしまっていた…｡



“こんな感じで､これから先大丈夫なの??"




ふと､自分に問いかけてみる｡




でも､まだ答えは出ない｡




“焦らなくていい…か"




そう思った私は､慌てて手帳を引っ張り出し､試験内容の重要な部分を､手帳に書き出した｡




“やばい…｡ボーッとしてて､あんまり話聞いてなかったから､試験内容だけ書かなくちゃ!!"




焦る私｡
急いで書いたためか､字がきたない｡




それでも､必死に書く私｡
内容を…忘れないように｡



けど､もう1つの理由が存在する…｡
それは…『ユウスケのメールを忘れるため』｡




その思いは､日に日に増していって､私でも抑えられない｡




いっそのこと…忘れたい｡
ユウスケの顔を…声を……そして､存在を｡




全部､全部…忘れてしまいたい｡




なぜかそう思ったとき､黒い沼の深さが変わったように思えた｡




動かなかった両足が､動いたような気がした……｡