愛恋(アイレン)〜運命の恋〜
「えりな?」


不思議そうな母さん。




「ん?」




私は、マグカップを持ったまま母さんを見る。




「別れたら?」


優しく言う母さん。




「……」




私は、俯いてしまう。




「今すぐ…ってことではないの。えりなが決めたときでもいいからね」


母さんはそう言うと、台所へと向かう。




正直、今は何も考えたくなかった。
ただ…1人になりたかった。



ユウスケのこともそう。
今のままじゃダメだと思い、彼に距離をおくことを伝えた。




彼は嫌がっていたが、無理矢理納得させた。




この行為が、果たしていい結果になるのだろうか??




今はわからなかった。




あれからは、全くユウスケからメールがこなかった。でも…友人へのメールの返信は、出来ないままだった。



“いつかは、こんな気持ちをしなくてもいい……。"
そうは思っていても、後遺症が残りそうで怖い…。




また、何されるのかわからないのが…私の現状だから。




ふと、過去の自分が決めた決意が蘇る。




“自分はどうなってもいい…他人を救いたい"




あの決意に、嘘偽りはない。むしろ…考えに考えた決意だった。
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