夏恋





この顔、何か考えている。


何か良からぬことを…



「な、何よ」



後退するあたしに、薫はニヤリと笑った。



「俺様に、惚れさせてやるよ」



「は?」



「甲子園に行けたら、お前の処女貰うから」



真剣な眼差しで、そう告げられた高校最後の夏。



こうして


あたしの夏の幕が開いた。




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