夏恋
そんな2人を見ていた部員たちは不思議そうにしている。
いつもは、言い争いをしているところだから当たり前だろう。
「何を楽しそうに話してるんすかねー薫さんたち」
汗を拭っている飛鳥に話しかける部員の一人。
飛鳥は、チラリと二人を見ると不機嫌そうに言った。
「僕には関係ないことだから」
「えっ?」
いつもとは明らかに違う飛鳥の様子に驚き振り返る後輩。
飛鳥はそんな後輩の様子に気づく余裕すらなかったんだ。
グラウンドに駆けていく飛鳥の後ろ姿を見ながら、後輩はお茶で口を湿らせた。
「不味いこと言ったかなー」