夏恋
そう言ったあたしに、薫は口を開く。
「お前、飛鳥と付き合ってんのか?」
「あ〜…うん」
頷くあたしに、薫は切なそうな顔をした。
……え?
何で、そんな顔するの…?
ゆっくりベッドから、起き上がる。
目を伏せがちに、下を向いている薫。
睫毛長いなぁ。
つい、感心。
いや、今はそんな場合じゃない。
いかん。いかん。
「薫、先にあたしが好きな人と上手くいったのはたまたまよ!薫カッコいいんだし…大丈夫!きっと上手く…」
「うっせーよ」
あたしの言葉を遮り、飛び越えて窓から入ってきた薫の重みでベッドが軋む。
そして、そのまま押し倒された。