夏恋
卒業
恋人のアイツ
あれからというもの、あたしたちは何かと上手くやっている。
あーだこーだ、言い合ってケンカの絶えない日々だけど
それが、当たり前になってさえいる。
「おい、クソ女」
そして昼休み、怒りに震え、歯を食い縛る薫があたしをクソ女と呼んだ。
「………へ?」
あたしは、校内一番人気の焼きそばパンをゴクンと飲み込んですっとんきょうな声を出す。
「ふざけんなよ…」
「え゛?何?どうかした?」
「お前…俺の…俺の…焼きそばパン食いやがってふざけんなー!」
怒りの原因は、この焼きそばパンとあたしだったみたいです。はい。