夏恋
卒業まで、あと一ヶ月。
別れまであと一ヶ月…。
あたしと薫は、ビックリするくらいいつも通りに過ごしていた。
「真麻っ!貴様また俺の焼きそばパンをっおのれーっ」
「ぎゃあーっ!いいじゃんかー薫のケーチ」
ギャーギャー言い合って、教室を駆け回る。
席に着いてからも、2人ワーワー言い合う。
ケンカして、笑って。
そうしていなきゃ、どう接していいか分からなかった。
思い出してまたしんみりしそうで嫌だった。
残り一ヶ月。
せめて、楽しく過ごしたい。