夏恋
当たり前のように、好きだった人を嫌いになるってどういうことなんだろう?
最近はそればっかり考えてしまっている。
「真麻。」
「んー?」
今は、薫の部屋でまったりデート中。
と言っても、家が隣同士なもんで毎度毎度行き来しているからデートって感じでもないけど。
なかなか好きだったりする。
「やらね?」
「えー?トランプー?てか薫ん家トランプないじゃんっ取ってこようか」
そう言いながら立ち上がるあたし。
でも、グッと手を引かれバランスを崩した。
そのまま、薫の胸の中へとすっぽり倒れ込む。
「…っえ…と、薫?!」
ビックリして、ドキドキして身体が硬直する。
そんなあたしを、ぎゅうっと強くだけど優しく抱きしめてくる。
肩に乗った薫の頭。
腰に回った薫の腕。
触れているところが、熱くて熱くて仕方ないよ…。