夏恋
なにもわかってないあたしはまだまだ子どもだ。
お子ちゃまだ。
「飛鳥くんあたしも…薫のこと」
「忘れられない?」
「………っっ」
忘れられない、その言葉にあたしの涙腺はいとも簡単に崩壊した。
「忘れ…らんないよ…っ!」
大好きなんだもん。
切ないほどあなただけしか見えないんだもん。
忘れられるわけないでしょう?
「そっか。そうだよね?よかったよ、真麻ちゃん」
「…ふ、うぇ……?」
よかったって何?
「ふっ…やっぱり2人とも世話が妬けるんだから」
んんん?
何、その意味深な笑みは。
なんか怖いんですけど?