夏恋
「薫、隠れてないで出ておいでよ?」
「…っ!か、かかか薫いるのっ?!」
「うん」
「ななななんで!?」
プチパニックを起こすあたしの目の前に現れたのは、照れたようにポリポリと頭を掻く薫の姿。
そして…一言。
「お前そんなに俺のこと好きだったのか」
そしてまたまた…一言。
「仕方ねぇ。傍に居てやるよ」
「………」
「………」
バチコーーーン!
沈黙を破ったのは、真麻の必殺技平手打ちを繰り出した乾いた音だった。