夏恋
「真麻ちゃん。」
「飛鳥くん…」
遠くまで逃げておしりをペンペン叩いてアッカンベーしている薫。
そんな薫を見ながら飛鳥くんは笑う。
「薫。アホだよな」
「…アホすぎるよ!」
「でもね」
でも……?
首を傾げるあたしに飛鳥は教えてくれた。
薫の“本当の気持ち”
「薫ね留学する予定だったらしいんだよ。
いつもはあんなしているけど、通訳になりたいっていう夢があるらしい。」
通訳ううう!!?
失礼だけど似合わない(笑)
「それでな、かなりの遠距離になんだろ?それでな…真麻ちゃんのためとかじゃなく自分が耐えられないからって別れを選んだらしい。
あ、起こらないであげてね?薫から俺が無理矢理聞き出したことだし。
真麻ちゃんより夢を選ぼうとしたわけじゃない。真麻ちゃんを選んで夢を諦めたのを真麻ちゃんのせいにしたくなかったんだと言ってたよ」
薫………
「おしりペンペンとかしちゃうやつだけど、カッコよすぎじゃない?」
クスクス笑う飛鳥くん。
「うん……カッコいいね」