夏恋






飛鳥くんがいなかったら、


アイツのために泣くことも


苦しむこともなかった。


だけどこんなにも


人を愛しく思い


大切に思い


感動し感謝することなくて。




「薫ー!あたし飛鳥くんが好き!大好き!」



「…はああああ!??ま、待て待て待て。なんでそうなった?おええ!?嘘だろ!」




頭を抱え、混乱している薫を見てあたし笑った。



飛鳥くんも笑った。







「薫ー!薫のことは好きじゃないのー!」





“愛してるんだよ”



誰よりも愛してる。



「真麻…考えなおして?」



「えー?ふふふふ…」




「飛鳥…てめえ何した?」



「なーんにも?」




やっぱり薫と真麻はこうでなくちゃね。



「ふふふふ…」



めでたしめでたし。




end










< 80 / 81 >

この作品をシェア

pagetop