夏恋
飛鳥くんがいなかったら、
アイツのために泣くことも
苦しむこともなかった。
だけどこんなにも
人を愛しく思い
大切に思い
感動し感謝することなくて。
「薫ー!あたし飛鳥くんが好き!大好き!」
「…はああああ!??ま、待て待て待て。なんでそうなった?おええ!?嘘だろ!」
頭を抱え、混乱している薫を見てあたし笑った。
飛鳥くんも笑った。
「薫ー!薫のことは好きじゃないのー!」
“愛してるんだよ”
誰よりも愛してる。
「真麻…考えなおして?」
「えー?ふふふふ…」
「飛鳥…てめえ何した?」
「なーんにも?」
やっぱり薫と真麻はこうでなくちゃね。
「ふふふふ…」
めでたしめでたし。
end