【BL】Monster
だから、まんざらでもなく優越感に浸れたらしい。
稚早いわく、『校内でも有数のイケメンに見られてるなんて、ほんと優越感!!』だと。

よく言うわ。
何見てんのよ!とお茶を頭からかけてきたくせに…。
まあ、そういう気の強いとこが気に入ったんだけど。

「でもさ。誰探してんだろね?」

「えっ?」

「前世の恋人だったりして!」

キャッキャと騒ぐ稚早を眺めながら、急に頭が冷めるような感覚が襲う。


―ああ、まただ…。


体が、『違う』といっている。
いつもそうだ。
付き合っている彼女の、ミーハーに騒ぐ姿を見ると、何故か冷める。
ただ、冷めるだけじゃなく、まるで拒絶反応のように一気に嫌になるのだ。


―この子とも、ここまでか…。

自分は、きっとまともな恋は出来ないのだろう。
簡単に、恋人を切り捨てられるのだから。


もし、稚早がいうように前世があるなら、オレは多分、前世で恋人に酷いことをしたのかもしれない。
だから、まともに人を好きになれないのだろうか。





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