飴玉戦争


「さあ、お待ちかねの転校生紹介ですよーっと」


だらしない喋り方をするのは、今日から私の担任である教師。
黒髪で背の高い男性で、やる気が感じられない。わかりやすくていいな、等と滑稽なことを考えながらゆっくりと顔を上げる。

20人弱の、小さなクラス。
3年生のクラスはこの1組しか無くて、田舎の学校らしいといえばらしい。


「自己紹介できるよな?どうぞ」
「……あ、はい」


漫画や小説でよく見る光景、転校生の自己紹介シーン。転校生の第一印象を決めるこの自己紹介こそが、のちの生活を展開させていくだろう。

さあ、怯えるな私。
右手を背中に回し、深呼吸してから口を開いた。


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