恋花~桜~
あっさり落ちてしまった。

「わかったよ。入部する」

「ほんとに?ほんとにいいの!?」

「いいよ。どうせ暇だったしね。俺も北海道行ってみたいし」

「やったぁ~!」

保科さんは小さく手を叩いて喜んだ。

《こんなに喜んでくれるなんて…》

こんな俺でも保科さんのようなかわいい子を喜ばせることができるなんて思いもしなかった。

「ボランティアのことは全くわからないから、いろいろ教えてね」

「大丈夫だよ。だって、私だってまだよくわかんないんだもん。アハハ!!」

保科さんはまたお腹を抱えて笑った。俺もつられて笑った。

「まさか保科さんがこんなに面白い人だったとは思わなかったよ」

「あら?じゃあどんな人だと思ってたの?」

「えっ…そ、それは…」

《一目見た時心奪われました…だなんて言えるか!!》

答えに詰まってしまった。

「あはは。いいのよ。何とも思ってなかったんでしょ?だって話したの今日が初めてだもんね」

「あ、いや…そ、そうだね」

「これから仲良くなっていけばいいと思うの。友だちとして…ね?」

《友だち…か。そうだ。同じ部活になるだけ。それ以上はないんだ》

「こちらこそよろしくね。保科さん」

「じゃぁ、また明日ね!バイバイ高田君!」

小さく手を振りながら、保科さんは教室を出て行った。


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