恋花~桜~
『バイバイ高田君』か…

あんな美少女と一気に仲良くなれて、俺は完全に舞い上がっていた。

《しかし待てよ…思わず入部OKしちゃったな。ま、いいか》

俺は胸の高鳴りを感じながら家路についた。

《今日みたいに話せるかな。もっと仲良くなれるかな…。明日は俺から挨拶しようかな…いや無理だな…》

夜は、なかなか眠れなかった。



次の日、教室に入ると、俺の登校を待ってたかのように保科さんが俺の席にやってきた。

「高田君、おっはよ~!」

《うわぁ…い、いきなりかよ》

「あ…お、おはよう」

俺はドキドキしてしまった。昨日は二人っきりだったけど、今は朝。回りにはクラスメイトがいる。

「昨日はありがとね~。でも、本当に入部してくれるの?私、強引に誘っちゃったから。正直に言っていいからね」

保科さんは、心配そうな顔で、俺の目をじーっと見つめてきた…

保科さんのかわいい目が、さらにまん丸になって、俺だけをのぞきこんできたんだ…

《やばい…この目は…》

俺は…

俺は……

「大丈夫だよ。俺なんかで良かったら」

正直ボランティアには全く興味ないけど、男に二言はないんだ(美少女の前では!?)

「よかったぁ~!やっぱやめるって言われたらどうしようって思ってたんだ。ありがとね!」

保科さんは昨日の帰り際と同じ笑顔で喜んでくれた。遠くから見ると綺麗なのに、目の前で笑う保科さんはとてもかわいく見えた。

綺麗だけどかわいい…やっぱり保科さんは桜の花びらだと思ったんだ。

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