恋花~桜~
いじめ
俺の高校生活は一変した。
女っ気のなかった俺だったが、休み時間の度に、俺の席には小野と保科さんが集まってきて、お喋りをするようになった。
いつも決まって話を切り出すのは保科さんだった。
「ね~!高田君、さっきの数学の時間、寝てたでしょ?」
「いや、眠かったけど、がんばってこらえてたよ」
「うそ~!だってシャーペン何回も落としてたじゃない」
「2~3回だよ~」
俺の答えに呆れ顔の保科さんは、腕を組みながら落ち着いた声で言った。
「それだけ落とせば大したものよ」
《な、なんだその切り返しは…》
「大したものって、そんな…」
そしてここから美少女の演技が始まるのだ。
「かわいそうよ…(シクシク)」
《泣きまねだと!?どういうことだ》
「な、何が?どーした?」
「ご主人様に何度も捨てられるシャーペンが…」
「いや…捨てたわけじゃなくて…」
すると保科さんは、俺の筆箱からシャーペンを取り上げた。そしてシャーペンを手招きして、自分の頬に当てた。
「そうか~私のところがいいのね~よしよし」
なんと、シャーペンに頬ずりし始めたのだ。
《あぁ…シャーペンになりたい!》
一瞬そう思ったが、俺だって負けてはいない。
「シャーペン君!戻ってくるんだ!じゃないと、保科さんに芯を減らしまくられるぞ!」
俺たちのやり取りをじっと聞いていた小野が、急にするどいツッコミを入れた。
「それだけ保科さんの方がノート書いてるってことだな」
「あはっ!」
「あはは!」
「あっはっは!」
保科さんは両手でお腹を抱えて笑う。これが彼女の笑い方なのだ。
清楚で物静かな美少女だと思っていた保科さんは、その見た目とは裏腹に、とてもお喋りで明るい女の子だった。
俺もいったん慣れてしまえば持ち前の口数の多さで、まるで夫婦漫才のように話が盛り上がる。俺の席は、いつも笑いで溢れていた。
だから俺は休み時間が待ち遠しくなった。毎日がとても楽しくなって、学校にいる時間がかけがえのないものになったんだ。
でも・・・
女っ気のなかった俺だったが、休み時間の度に、俺の席には小野と保科さんが集まってきて、お喋りをするようになった。
いつも決まって話を切り出すのは保科さんだった。
「ね~!高田君、さっきの数学の時間、寝てたでしょ?」
「いや、眠かったけど、がんばってこらえてたよ」
「うそ~!だってシャーペン何回も落としてたじゃない」
「2~3回だよ~」
俺の答えに呆れ顔の保科さんは、腕を組みながら落ち着いた声で言った。
「それだけ落とせば大したものよ」
《な、なんだその切り返しは…》
「大したものって、そんな…」
そしてここから美少女の演技が始まるのだ。
「かわいそうよ…(シクシク)」
《泣きまねだと!?どういうことだ》
「な、何が?どーした?」
「ご主人様に何度も捨てられるシャーペンが…」
「いや…捨てたわけじゃなくて…」
すると保科さんは、俺の筆箱からシャーペンを取り上げた。そしてシャーペンを手招きして、自分の頬に当てた。
「そうか~私のところがいいのね~よしよし」
なんと、シャーペンに頬ずりし始めたのだ。
《あぁ…シャーペンになりたい!》
一瞬そう思ったが、俺だって負けてはいない。
「シャーペン君!戻ってくるんだ!じゃないと、保科さんに芯を減らしまくられるぞ!」
俺たちのやり取りをじっと聞いていた小野が、急にするどいツッコミを入れた。
「それだけ保科さんの方がノート書いてるってことだな」
「あはっ!」
「あはは!」
「あっはっは!」
保科さんは両手でお腹を抱えて笑う。これが彼女の笑い方なのだ。
清楚で物静かな美少女だと思っていた保科さんは、その見た目とは裏腹に、とてもお喋りで明るい女の子だった。
俺もいったん慣れてしまえば持ち前の口数の多さで、まるで夫婦漫才のように話が盛り上がる。俺の席は、いつも笑いで溢れていた。
だから俺は休み時間が待ち遠しくなった。毎日がとても楽しくなって、学校にいる時間がかけがえのないものになったんだ。
でも・・・