恋花~桜~
保科さんと仲良くなってから1週間くらいたったある日の休み時間のことだった。
俺は自分の斜め後ろの席にいる小野に話しかけようと思い、イスに座ったまま後ろを向いた。当たり前のように、真後ろの友だちの席には俺の肘が乗っかった。
それは突然のことだった。
「おい!俺の机に肘のっけってんじゃねぇよ!」
それは真後ろの席の清野の発した言葉だった。ドスの効いた低い声だった。
《えっ?…なんで!?》
昨日まで普通に話していた清野が、まるで俺を威圧するようなまなざしで俺を睨んでいた。
《何がどうなってんだ!?》
思わず俺は、
「あぁ…ゴメン」
と謝り、清野の机から肘をよけた。急に心臓がバクバクしてきた。
《この空気から逃れたい…あ、そうだ》
俺はイスから立ち上がり、強引に小野を廊下へ引っ張り出した。
「おい…どうしたんだよ!?」
「どうしたもこうしたもねぇよ。急に清野の奴、怒り出してさ…」
「えっ…?」
小野は気付いていなかったようだ。俺は状況を話した。
「たまたま清野は機嫌悪かったんじゃないか?気にするなよ」
と小野は言ったが、俺はその言葉には安心できなかった。
清野はよくこの進学校に来れたなと思うくらい不良の風貌をしていた。でもその壊れっぷりが面白くて楽しい奴だった。少なくとも昨日までは仲の良いクラスメイトだった。
でもさっきのは違う・・・
《あれは弱いものを威圧する不良の振る舞いだ…》
俺は気が小さいので、身体と心に震えをおぼえた。
俺は自分の斜め後ろの席にいる小野に話しかけようと思い、イスに座ったまま後ろを向いた。当たり前のように、真後ろの友だちの席には俺の肘が乗っかった。
それは突然のことだった。
「おい!俺の机に肘のっけってんじゃねぇよ!」
それは真後ろの席の清野の発した言葉だった。ドスの効いた低い声だった。
《えっ?…なんで!?》
昨日まで普通に話していた清野が、まるで俺を威圧するようなまなざしで俺を睨んでいた。
《何がどうなってんだ!?》
思わず俺は、
「あぁ…ゴメン」
と謝り、清野の机から肘をよけた。急に心臓がバクバクしてきた。
《この空気から逃れたい…あ、そうだ》
俺はイスから立ち上がり、強引に小野を廊下へ引っ張り出した。
「おい…どうしたんだよ!?」
「どうしたもこうしたもねぇよ。急に清野の奴、怒り出してさ…」
「えっ…?」
小野は気付いていなかったようだ。俺は状況を話した。
「たまたま清野は機嫌悪かったんじゃないか?気にするなよ」
と小野は言ったが、俺はその言葉には安心できなかった。
清野はよくこの進学校に来れたなと思うくらい不良の風貌をしていた。でもその壊れっぷりが面白くて楽しい奴だった。少なくとも昨日までは仲の良いクラスメイトだった。
でもさっきのは違う・・・
《あれは弱いものを威圧する不良の振る舞いだ…》
俺は気が小さいので、身体と心に震えをおぼえた。