ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜
「ゼンゼン、貢にぃに
つりあうオトナになんか、
なれてないし……!」


無意識に、震える声で
そう小さく叫ぶと。


ポンポン、と、大きくて
あったかい掌が、あたしの
頭を優しくたたいた。



ハッと顔をあげると――
爽介さんが、掌とおんなじ
優しい瞳で、あたしを見てる。



「美紅ちゃんがオトナに
なりたいって思ってるの、さ。

きっと貢も、わかってんぜ」



「爽介さん……」



「――つーか、それ以上にさ。

アイツ自身がそれを、
待ち望んでんじゃねーの」



「え―――――!?」




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