ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜
貢にぃが、それを待ってる?



「それって、どーゆう―――?」



『イミですか?』って
聞こうとした声をあたしは
飲み込んだ。



あたしに最後を言わせる
までもなく――爽介さんは
黙って首を横に振ってたから。



「それは、美紅ちゃんが
自分で考えな。

オレが言えんのはさすがに
ここまで!」



「爽介さん――」




戸惑うあたしの目の前で、
爽介さんはゆっくりと
立ち上がる。


ふと思いついたように、
コートの内ポケットを探って。


そこからハンカチを
取り出すと、そっと
差し出してくれた。
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