ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜
貢にぃの声にちょっと
イラ立ちが混じったのに
気づいて。



あたしはようやく、思い
切って、後ろ手に持ってた
荷物をバッと前に突き出した。


「こっ、これ……!

持ってきたからっ」


「――? なんだ?」


ますます首を傾げる貢にぃ。


あたしが出したそれは、
四角い大きな箱状の物
なんだけど……。


それをすっぽり包む、
ナイロン製のエコバッグ
みたいのに入れちゃってる
から、すぐには何かわから
ないんだろう。




――あたしは顔を真っ赤にして。


下を向いて、搾り出す
ような声で言った。
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