ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜
「イヤ、だって……。

お前、ケーキなんて
焼いたこと……」


「ないよ。

なかったけど……。

貢にぃと食べるケーキ、
どうしても自分で
作りたかったんだもん」



今年は、貢にぃの焼いた
ケーキがないから。


だったら、あたしが
焼くしかないじゃない。



それに――そのケーキに、
あたしの気持ちをいっぱい
いっぱいつめ込みたかった。



『好きだよ』とか、

『ありがとう』とか。



何回言っても足りない
ほどの言葉を、全部。





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