ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜
「う、そ、そりゃぁ……」


そーゆー気持ちだって、
ちょっとはあるわよ。




「安心しろ。

プロの前に、素人が初めて
焼いたモノを出すんだ。

どうあがいたって、
恥ずかしい状況なことに
かわりはない」



「……貢にぃ。

それ、全くフォローに
なってないし……(涙)」



お願いだから、この期に
及んであんまイジメないで
クダサイ。



懇願するみたいにウルウル
目を向けると、貢にぃは
もう一度フッと笑ってから、


「そうか?
それは済まなかったな。


とにかく、いずれ出すんだ。

先に用意しても問題ないだろう」


そう言うと静かに席を
立って、お店の裏――
厨房へと続くドアの方に
移動を始める。
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