ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜



「お前……クリームつけてるぞ」






―――――へっ?






真っ白になってるあたしの目の
前で。



貢にぃは、あたしの唇の横辺りを
スッと撫でると、そのまま指を
離した。


その指を、ナプキンで拭ってる。




「ク、クリーム………?」



「残りも食べてしまえ。

さすがにこれ以上、遅くなるのも
まずいだろう」



「………………」



――心臓止まるかと思ったのに。


それっていくらなんでも、あん
まりじゃないのぉ……っ!?



ガクッと肩を落として、真下を
向いたあたしの上から――

貢にぃの、笑い混じりの声が
降ってくる。
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