ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜
長いのか短いのかもわかんない、
音のない時間の後――…。



そっと唇の温もりが離れて、
貢にぃの顔が視界に入ってくる。


いつの間にかメガネをはずした、
レンズ越しじゃない澄んだ瞳が
そこにあった。




「――さっきみたいな顔をする
なら、待ってやらない」


ほんの少しだけ熱を帯びた声で、
そう言って。


貢にぃは、メガネを持ってない方
の手で、あたしの頭をクシャッと
掻き混ぜる。


あたしはつい、ピクッと小さく
震えちゃったけど――。


でも、その手はとってもおっきく
て優しくて……。


まるで心を包まれたみたいに、
幸せな気分になった。



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