或いはこんなスクールライフ

「サユミ、早く皆逃がす！」

逸早く反応したのは、誰あろうガルル君だった。

「あのリントヴルム、天空険道の竜種！あいつ、俺狙ってきた！」

「え？」

その意外な告白に、私は驚く。

「天空険道と千獣の樹海、魔物同士、縄張り争いしてる！あいつら、樹海の魔物の俺の匂い探して、ずっと昨夜から騒いでた。学園の皆、無関係だから手を出すなって、昨夜遠吠えであれ程言ったのに…！」

そう言えばガルル君の転校初日、学園長先生が、『天空険道と千獣の樹海の魔物同士が縄張り争いしている』というのは仰っていた。

だったら、千獣の樹海の住人であるガルル君を襲う為に、あのリントヴルムはこの学園を襲撃してきたの？

昨夜のガルル君の遠吠えは、彼らと話をつける為のもの？

一度に色々な事を知らされ、教師である私でさえ軽いパニックに陥っているのだ。

生徒達の混乱振りは尋常じゃない。

「逃げて！皆校舎内に避難して！」

他の先生方も加わって、生徒達を安全な場所へと誘導する。

その最中。

「！！！！！」

遂にリントヴルムが、その強靭な爪の一撃で学園の結界を破壊した！