或いはこんなスクールライフ
「天空宮市の近くに棲んでる魔物、『空』『陸』『海』に分かれてる。千獣の樹海に棲んでるの、主に『陸』の魔物。天空険道に住んでるの、主に『空』の魔物。『陸』と『空』、仲が悪い」

天空険道に住んでいる『空』の魔物とは、殆どが竜種。

知恵がある反面、気性が荒いものも多く、自らを魔物の上級種として驕っているものも多いと聞く。

そういった事が、魔物同士の縄張り争いを起こさせる原因となっているのだろう。

…そんな事を話しているうちに、私達を乗せたグリフォンの背中から、頂を雲の中に突っ込む、切り立った山岳地帯の勇壮な姿が見えてきた。

幾つもの大小様々な岩山が連なり、千尋の峰を形成している。

これが天空険道。

数々の修羅場を潜り抜けてきた冒険者達でさえ、おいそれと踏破する事の出来ないA級狩猟区だった。

その中腹付近。

カルデラ湖が冷え冷えと凍て付いた鏡面の如き水面を湛えている。

カルデラとは火山の活動によってできた大きな凹地の事。

そのカルデラに水が溜まって出来た湖を、カルデラ湖というのだ。

< 122 / 186 >

この作品をシェア

pagetop