或いはこんなスクールライフ
何が起こったのか。

微かに頭だけを起こして状況を確認する。

…尻尾。

氷に覆われた湖面を突き破り、ガルグイユの長く太い尻尾が、ユラユラとくねっていた。

成程…あの尻尾で脇腹を打ち据えられた訳か…。

私の胴回りよりも遥かに太い尻尾だ。

あんなもので殴られた日には、甲冑を身につけていても大ダメージは免れない。

「く…」

大剣を杖代わりにして、私はヨロヨロと立ち上がる。

こんな所に寝転がっていては、更なる追撃をかわす事ができなくなる。

早く、早くガルグイユから間合いを取って…。

そんな考えも虚しく。

「がはっ!」

またも私の体は、横殴りの尻尾の一撃で宙を舞う。

今度は鉄錆の味どころでは済まなかった。

赤い吐血が口から溢れ出し、口元を汚す。

そのまま二度目の、氷の上への激突!

大剣こそ手放さなかったものの、最早立ち上がる気力は失っていた。

< 135 / 186 >

この作品をシェア

pagetop