或いはこんなスクールライフ
両手で這いずるように、氷の上を進む。

逃げないと…。

別に命が惜しい訳じゃない。

でも、私が何とか生き延びないと。

ここで私が死んでしまったら…一体誰がラビさんを助けるの?

一体誰が、そこに倒れているガルル君を連れて帰るの?

僅かに頭を動かし、横になっている筈のガルル君の方を見て。

「え…」

先程までいた筈の、ガルル君の姿が見当たらない事に気づいた。

それとほぼ同時に。

「これ、食べる」

私の鼻先に、青臭い匂いのする葉っぱが突きつけられた。

「血止めと痛み止めの効果のある野草…よく効く」

そう言ってやや無理矢理に葉っぱを私の口の中に押し込んだのはガルル君だった。

嘘…信じられない。

彼だって、さっきガルグイユの水流の直撃を受けた筈なのに。

もう立ち上がって動けるようになったの?

常人では考えられないほどの彼の回復力に絶句する間もなく。

「!」

ガルグイユは大きく口を開け、水流を吐き出す!

一直線に噴射される水の弾丸。

その弾丸を相殺するかのように、ガルル君もまた炎のブレスを吐き出した!

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