或いはこんなスクールライフ
登り始めて約二時間。

「…ラビの匂い、強くなってきた」

ガルル君が立ち止まり、大きく息を吸い込む。

それって、近くにラビさんがいるって事?

思わず私の顔に笑みがこぼれる。

しかしそれとは反対に、ガルル君の表情は硬い。

「ラビと一緒に、魔物の匂いする。強い魔物の匂い」

そう。

ラビさんは最初、リントヴルムによって連れ去られ、この天空険道でそのリントヴルムは、別の魔物によって『獲物』たるラビさんを横取りされた挙げ句絶命していた。

私は最初、リントヴルムはワイバーンの群れにでも襲われたのだろうと思っていたのだけど…。

「油断、駄目」

ガルル君が一歩踏み出す。

「きっとこの匂い、『ニーズヘッグ』。タチの悪い魔物」

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