或いはこんなスクールライフ
そのニーズヘッグが、ラビさんと共にいる。

しかもごく間近に。

無意識のうちに大剣の柄に手をかける自分がいた。

ニーズヘッグなんて…リントヴルムやガルグイユどころの騒ぎじゃない。

人間なんてつまみ食いの対象程度にしか見ていないほどの、最上級に近い魔物だ。

天空宮学園の新米教師と、一生徒の手に負える相手じゃない。

本来なら天空宮警備騎士団や、学園長先生レベルの人間が討伐に乗り出すほどの魔物だ。

だけど残念ながら、どちらも呼びに行っている余裕はない。

間近で私の教え子が命の危険に晒されているのだ。

緊急事態なのだ。

私の『竜殺し』の称号は、見栄を張る為や自慢をする為に与えられた訳ではない。

緊張に頬が硬くなる。

膝が震える。

だけど、一歩前へ。

勇気を振り絞って、更にもう一歩前へ。

「サユミ」

そんな私を支えてくれる、ガルル君の言葉が耳に届く。

「大丈夫。サユミもラビも、『絆』。俺、『絆』絶対守る…!」

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