或いはこんなスクールライフ
頭部の頂点に1本、左右に2本ずつ、更に鼻の上に1本、合計6本の角。

眼は黒目がなく、白い眼球だけがこちらを睨んでいる。

首筋から背中、尻尾の尖端まで、尖った棘がびっしりと並んでいる。

全身の黒い鱗も鋭利な刃物のように重なり合っていて、体当たりを受けただけで切り刻まれてしまいそうだった。

人間で言う肩甲骨の辺りからは、左右2枚ずつの蝙蝠の如き翼。

大きく広げれば、翼長20メートルはあるだろうか。

あれだけの巨体を飛翔させる揚力を発生させるには、あのくらいの翼がなければ到底無理なのだろう。

全身のパーツの何もかもが黒く、全身のパーツの何もかもが禍々しい。

一目見ただけでわかる。

まさしく邪悪の化身。

この黒竜こそがニーズヘッグ。

『嘲笑する虐殺者』の異名をもつ竜種だった。

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