或いはこんなスクールライフ
そのあまりに凶悪なフォルムに、戦闘を開始する前から身を硬くする私とガルル君。

戦う前からニーズヘッグに呑まれてしまっている。

だというのに、ニーズヘッグは更に私達を萎縮させる行為に出た。

人間ならば完全に常軌を逸した状態であろう白目を剥いた眼で私達を睨んだかと思うと、その大顎を限界まで開いて咆哮を上げる!

「しまっ…!」

先手を取ろうと大剣を抜き放つけど、もう遅い。

ニーズヘッグの雄叫び!

リントヴルムが行ったのと同様の、敵を竦ませる竜種の咆哮だ。

その吠え声は『竜殺し』の称号を持つ騎士の私は勿論。

「うっ…ぐっ…!」

抜群のスタミナと耐久力を持つガルル君でさえも萎縮させてしまっていた。

戦闘スキルらしい言い方をするならば『強制行動不能状態』にする咆哮。

瞬間的に対峙する敵の心を折る、魔性の雄叫びであった。

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