或いはこんなスクールライフ
生きながらにして全身を焼かれる苦痛。

並の人間なら、瞬時にして蒸発しているだろう。

ニーズヘッグの炎のブレスは、それ程の熱量だった。

足蹴にされている以上回避行動もとれず、ガルル君はただただニーズヘッグの足の下で苦悶の表情を浮かべるしかない。

「こ、このっ!」

我に返り、私は大剣を両手持ちで横薙ぎに振る!

狙うはガルル君を踏みつける、ニーズヘッグの脚!

大剣は甲高い音を立ててニーズヘッグの脚部を覆う鱗にぶつかり。

「っ!」

いともあっさり刃こぼれした。

そんな!

ガルグイユの首すら両断した業物なのに!

こぼれた刃を見ながら私は絶句する。

ニーズヘッグには、並の竜種を斬れる剣では通用しないというの?

そんな事を考えている暇をも与えず、代わりに私に与えられたのは、ニーズヘッグのもう片方の足から繰り出される蹴り!

大剣を盾代わりにして受け止めるも、その衝撃は果たして何トンに達するものなのか。

剣は中程で真っ二つに折れ、それでも衝撃を殺しきれなかった私の体は、石柱の根元まで飛ばされた挙句に強かに叩きつけられた。

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