或いはこんなスクールライフ
弾かれたようにガルル君の上体がのけ反った!

白虎君の裏拳は強烈だった。

何せ腕力や身体能力は、人間よりも遥かに上回る虎の獣人なのだ。

そのまま小柄なガルル君は、教室の天井近くまで浮き上がり。

「!」

クルクルッと宙で後方宙返り。

そのまま見事に机の上に着地した。

その着地方法が、四つん這いの低い姿勢という、肉食獣さながらの姿。

ガルル君は前傾姿勢で唸りながら、己の顔面に拳を入れた白虎君を睨み据えた。

「何だチビ、やんのか?あぁ?」

白虎君も腰を低く落とし、両の拳を握り締めて構えた。

蹴り技も攻撃に交えた、拳法独特の構えだ。

ガルル君と白虎君の間に流れる、一触即発の空気。

教室内は騒然となる。

「二人とも、やめなさい!学内での乱闘は校則違反よ!」

声を張り上げて、二人の制止を促すものの。

「ぶっ飛ばしてやらぁっ!」

白虎君は止まらない。

鋭い踏み込みと同時にガルル君に瞬時に接近し、巨体を生かした背中からの体当たりでガルル君を吹き飛ばす!

鉄山靠という、八極拳特有の技。

ガルル君の体は大きく跳ね飛ばされ、教室の窓ガラスを突き破って建物の外へと投げ出された!

< 31 / 186 >

この作品をシェア

pagetop