或いはこんなスクールライフ
その敏捷さたるや、ヘルハウンドやオルトロスといった四足歩行の魔物の如し。

並の人間の動体視力では追えないほどのスピードで突進したガルル君は、油断していた白虎君の頬を横殴り!

「ぐっ!」

相当な体格差があるにもかかわらず、白虎君がその一撃で後退した。

見た目以上にガルル君の打撃には威力があるらしい。

「このっ!てめぇっ!」

だからと言ってそのまま引き下がる白虎君ではない。

ブゥンッ!と唸りを上げて、中段回し蹴りをガルル君の脇腹へ!

またも吹き飛ばされるガルル君。

しかし今度は教室の壁を蹴って、即座に反撃に転じる!

先程と同じ横殴り…と見せかけて、白虎君の目前で急激に方向転換!

動きを見失った彼の左側から、強烈な足蹴り!

しかも格闘技に見られるような蹴り技じゃない。

まるで馬が背後に回った者を蹴り飛ばすような、そんな跳ね上げるような蹴り!

「ぐはっ!」

思い切り顎を蹴り上げられ、白虎君がまたも大きくよろめいた。

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