或いはこんなスクールライフ
剣を受け、床を滑るようにして転倒するガルル君。

「おおっ!」

「サユミちゃんすげぇっ!」

周囲で見ていた生徒達が思わず声を上げる。

私とてまかりなりにも、この天空宮学園の教師だ。

この学園の教師の役目は、当然の如く生徒達よりも優れた技術を身につけ、その技術を後進へと伝え導いていく事。

そして今この時のように、まだ未熟な教え子達に危機が迫った時、己の身を呈してでも守護する事。

私達天空宮学園の教師は、聖職者であると同時に、未来の希望たる生徒達を守る為の剣なのだ。

「……!」

ダウンしたガルル君を目前にしても油断する事なく、私は軽く息を吐いて刀を上段に構える。

あれ程のタフネスだったガルル君だ。

たった一撃で昏倒するとは思えない。

隙なく摺り足で間合いを詰めつつ、ガルル君の動向を窺う。

そう、隙は見せていないつもりだった。

しかし!

「!!」

ガルル君の瞬発力、そして反射神経は、私達の常識を遥かに凌駕していた。

先程まで床に大の字になっていた筈のガルル君が瞬時にして天井近くまで跳躍!

動きすら目で追えないうちに、私へと急降下してきた!

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