或いはこんなスクールライフ
次の瞬間。

「Wieviel Mut ist notwendig, die Klinge zu setzen?
Wieviel Mut ist notwendig, den Ärger zu gewinnen?
Ist es die Sache, die schwieriger als das Verletzen eines Freundes ist?
Ist ein Nachbar davon das Sie die Person, die Sie so sehr hassen sollten?
(その刃をおさめるのに どれ程の勇気が必要ですか? 
その怒りをおさめるのに どれ程の勇気が必要ですか?
仲間を傷つける事よりも 難しい事ですか?
汝の隣人は それほどまでに憎むべき人ですか?)」

歌声。

殺伐とし、騒然としていた教室内に、とても美しい歌声が響いた。

その声は生徒達の恐怖と不安も、私の死への覚悟も、ガルル君の他者の命を奪う事も厭わない闘争本能をも、まるで霧散するように掻き消していった。

そうか…。

教室の隅にかたまって狂乱の闘争を見つめていた生徒達。

その中で一際目を引く可憐な美少女に、私は視線を向けた。

…これが他者は勿論、世界にさえ影響を及ぼすと言われる、リリム・リリアさんの『言霊の調べ』かぁ…。

私は寸前のところで命を救ってくれた、儚げなまでの美少女に、心から感謝していた。




< 40 / 186 >

この作品をシェア

pagetop