或いはこんなスクールライフ
「大丈夫ですか、サユミ先生、白虎君、斑鳩君」

床に横たわる私達に駆け寄ってくるリリムさん。

それとほぼ同時に。

「一体何の騒ぎですか！」

金髪、尖った耳の女子生徒が教室に駆け込んできた。

エルフという種族特有の、まるで美術品の如く整った顔立ち。

そこに立っているだけで、溜息の出るような美貌で周囲の人間を魅了する。

彼女の名はミーシャ・ファレル。

天空宮学園高等部魔法科の生徒であり、我が校の風紀委員長でもあった。

ミーシャさんは教室内に倒れている私や白虎君、斑鳩君を見ると、すぐに状況を把握する。

もっとも、割れた窓ガラスや散乱した机を見れば、彼女でなくともわかりそうなものだけど。

「何ですかこの有り様は！学内での乱闘は校則違反ですよ！」

風紀委員長お決まりの台詞をまくし立てるミーシャさんに対し。

「またうるさい奴来た…！」

言霊の調べで鎮火しかけていたガルル君の闘争心が、再び燻り始めた。

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