或いはこんなスクールライフ
さて、ガルル君が今回行った行為は校内での乱闘、学生への暴力行為、教師への暴力行為、校内備品破損、風紀委員に対する職務執行妨害。

極めて悪質な校則違反と言える。

「議論の要はないでしょう」

ミーシャさんが厳しい口調で言う。

「退学です。天空宮学園の校則に照らし合わせても、社会の一般的な常識に照らし合わせても、ガルルの行為が『悪』なのは明らかですわ」

「ま、待ってよミーシャさん…」

私はこの躊躇なき風紀の守護者をなだめる。

彼女の言い分に一切の否はない。

風紀委員として、彼女は当然の職務を果たそうとしているし、それだけの権限も彼女には与えられている。

「でもガルル君は普通の生徒ではないの。恐らくは生まれた時からずっと、千獣の樹海で生活してきた…言うなれば野生児、一般社会の常識やルールを知らない存在なのよ」

幾らミーシャさんといえど、無知な赤子に校則を強いるような真似はしないだろう。

私はそれが言いたかった。

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