或いはこんなスクールライフ
どうやら学園長の鶴の一声で、ガルル君の退学処分だけは免れたようだった。

「…有り難うございます学園長先生。そして申し訳ありません…私が不甲斐ないばかりに…」

ミーシャさんが退室していった後、私は学園長に深々と頭を下げる。

「いや、サユミ先生に否はないよ。さっきも言ったけど、ガルルをサユミ先生に預けたのは僕だしね。それよりも…」

彼は反省室内で今も尚、大声を張り上げているガルル君の方を見る。

「野生児なのは認めるとして…動物だって理由もなく人間を襲ったりはしない。本能で動くガルルにも、何か今回の騒動を起こした理由があるんじゃないかな」

私もそれは感じていた。

『強い者には従う』

ガルル君は彼なりのルールによって動いている。

言い換えれば、そういうルールに従うだけの理性も持っている筈なのだ。

では事の発端…クラスメイトのラビさんに対する暴力行為も、何か理由があっての事ではないだろうか。

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