或いはこんなスクールライフ
まるで子供の言い分だった。

嫌いだから暴力を振るったというのだろうか。

しかもその対象は、私や学園長も含まれるらしい。

まぁ、心当たりがない訳ではない。

暴れるガルル君を止める為とはいえ、私は彼に剣を振るった。

学園長もまた、いささか利己的な理由でガルル君を学園に連れてきた。

嫌われて当然と言えるだろう。

…そんな事を思っていたのだけれど、ガルル君にとっては理由が少々違うようだった。

ふと。

「!」

先程まで猛々しく吠えていたガルル君の瞳から、光るものが伝った。

涙。

乱暴で、気が強くて、決して譲る事をしないガルル君が、私達の前で涙を見せていた。

「天空宮の奴…人間、獣人、エルフ、ドワーフ、機械、みんな友達…でも魔物、友達にしてくれない」

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